玄関先で首を吊った女がいるんだとか

篤「だとすれば、あの村で死んだのはふたりってことですか?」
橋田「それは知らないけど、でもどこの場所でも人くらい死んでるでしょ」

篤が聞きたいのはそういうことではなかったと思うのですが、橋田さんは更に言葉を続けました。

橋田「河島さんはね、自殺したの」
僕「自殺?」

それでは首を吊った女と同じような結末になったということでしょうか。
イジメの主犯格が、イジメの被害者と同じ運命をたどる。
それは考えればごく自然な感じがするものでした。
なにせ河島は、自分の家の玄関先で首を吊られているんですから。
いくらいじめの主犯格といえど、平気でいられるはずがありません。

橋田「ハシバミ病院は精神科よ。わかってる?」

そう言われて息を飲みました。
外観を見ても特に違和感のない建物でしたし、てっきり内科だと思いこんでいたため看板などを注意して見ていなかったのです。

僕「河島さんはいつ自殺したんですか?」
橋田「もうかなり前よ。最近入ったばかりの子はあの患者さんのことを知らないと思うわ」
篤「10年以上前ですか?」
橋田「そうね、そのくらいは経っているんじゃないかしら」