建付けが悪くなっている窓をどうにかこじ開けて外に飛び出した篤を見て僕も出窓へ足を駆けました。

男A「待て!!」

後ろからライトの光が迫ってきて僕の背中を照らしています。
パニックになって立往生してしまった僕に外から篤が手を伸ばしてきました。
僕はその手をしっかりをつかみ、そして勢いをつけて外に飛び出しました。
ふたりして身をかがめ、付近の家の庭先に逃げ込みました。
雑草が生い茂っている庭に腹ばいになって息を潜めていると、僕たちが逃げ出した窓から3人の男たちが次々と飛び出してくるのが見えました。
全員服の上からでもわかるほど筋肉質な体つきをしています。
おまけに木製のバッドまで持っているので、僕たちが太刀打ちできる相手ではありません。

男A「ちっ。逃がしたか」
男B「おもしろくねぇな」
男C「もういいや、そろそろ山下りて酒でも飲もうや」

3人はしばらく僕たちを探していましたが、すぐに見つからないことに飽きたようで大きな足音を立てながら遠ざかっていきました。

篤「行ったな」

足音が完全に聞こえなくなって更に5分ほど経過してから篤が呟きました。
僕はその隣でコクコクと頷きます。