玄関先で首を吊った女がいるんだとか

これはあの絵と一緒で、なにかを伝えるためにあるんじゃないか?
そう思った時です。
突如外から男の笑い声が聞こえてきたんです。
僕も篤も同時に身をかがめて窓から離れました。
笑い声はひとつではなく、ふたり、3人分はあったと思います。
どこかの家のドアを激しく叩く音が響いてきます。
もしかしたら廃村マニアたちが来ていたのかもしれません。
しばらく息を殺して外の様子を伺っていると、3人分の足音が遠ざかっていくのがわかりました。
辺りにはまた静寂が包み込んで来ています。
それでも十分時間を置いてから僕と篤はホッと息を吐き出して立ち上がりました。
どうにか男たちをやり過ごしたみたいです。

篤「危なかった。見つかってたらどうなってたかわからないぞ」

篤が額に浮かんできた汗を手の甲でぬぐって言いました。
笑い声だけで判断しても若い人たちだったようです。
こういう場所で鉢合わせしてトラブルになることだってあるでしょう。

僕「もうそろそろ帰ろうよ」

危険なのは幽霊だけじゃないとようやく気が付いて、僕はつい気弱になってしまいました。