表札を確認してみるとそこは河島と書かれていました。
家屋の右手に大きな窓。
そして左手に3段ほどの階段があり、玄関が見えています。

篤「行こう」
僕「うん」

頷いてから僕はもう一度絵を確認しました。
記号だと思っていたものはひらがな一文字だったんです。
絵の順番に並び変えて河島という名前になりました。
誰かわからないけれど、この絵を描いた人は僕たちをここへ誘導したかったんだと思います。
篤が先に立ってドアノブに手を伸ばすと、ドアは簡単に開いて行きました。
中からヒヤリとした空気が這い出してきて、身震いします。

篤「結構綺麗にしてあるな」

土俗のまま玄関を上がって奥の部屋を照らしながら篤が言いました。
確かに、さっき見た家よりもホコリが少なく、靴で上がることをためらうくらいでした。
この村にはまだ管理者が来ているそうなので、この河島家も綺麗に掃除されているみたいですね。

僕「花瓶がある」

玄関に入ってすぐ右手にシューズボックスがあるのですが、そこに花瓶が置かれているのが目に入りました。
そういえばホラッシーの動画内にも一瞬写り込んでいた気がします。
不思議なのがクリーム色の花瓶に刺さっているピンク色の花が枯れていないという点でした。