話声が聞こえてきそう。
それなのに誰もいない不気味さ。
そういう、精神的に追い詰められるような恐怖がありましたね。

僕「問題の、女が首を吊ったっていう家は？」
篤「さぁ、どこだろうな？」

思い返してみればどの情報にもその家についてほとんど触れられていないことに気が付きました。
それでも動画でも確認したのだからすぐに探し出すことができると、勝手に思い込んでいたんですよね。

篤「ホラッシーは玄関の鍵が開いてたって言ってたな。片っ端から確認していこうか」

村の端から端までの家屋となると莫大な数になりますが、ホラッシーの動画で見た限り村に入ってすぐの家屋だったはずです。
だから僕は篤の提案に了承して近場の家から確認することにしました。
まず最初に確認した家の表札には「吉永」と書かれていました。
二階建てで小さな庭つきの一軒家ですが、誰もいないことで庭の草木は生え放題です。
玄関へ近づいて行って確認してみると、嫌でも玄関灯が目に入って来ました。
もしかしたら女がここで首を吊ったのかもしれない。
そう思ってすぐに視線を外しましたが、心臓が早鐘を打っています。