歩き始めて１０分ほどで僕はその木製の看板を見つけました。
地面に打ち付けられた看板は傾いて、文字も薄れていますが、動画で見ているので間違いありません。

篤「なんだ、以外と近かったな」

篤が心底ホッとした様子でそう言いました。
そういえば山の上には△△村という村もあるようなので、○○村はそのもっと下に位置しているのでしょう。
目的地が想像よりもずっと近かったことで力が戻ってきた僕らは早足になって山道の横へとそれで歩き出しました。
脇道といってもそこも一応舗装されていた形跡があり、歩けなくはありません。
無言で前に進んでいくと５分くらいで家屋が見えてきました。

篤「ここが○○村か」

村という呼び名のせいですごく古い建物が建っているようなイメージでしたが、実際は１０年前まで人がいたという通り近代的な家屋が並んでいます。
パッと見るだけで、ここに人がいないのがもったいないと感じるような家も沢山ありました。
最近でいうドリームコアっていうやつに似てますよね。
絶対にどこかに人がいるような感じがするのに、だれもいない。
今まさに目の前の家から人が出てきてもおかしくない。