カメラが玄関の上部を映すと電球の割れている玄関灯が見える。

ホラッシー「ちょうどね、このライトを設置する場所にロープを括りつけたらしいです。このお宅の玄関灯はほら、ボクが両手で引っ張ってみてもびくともしない。かなり頑丈なんですよね」

ホラッシーが玄関ドアに手をかけて手前に引くと、ドアがゆっくりと開いていく。

ホラッシー「これも昼間確認済だったんですけど、なんとこの辺の廃屋は玄関の鍵が開いていて、すんなり入ることができるんです。といっても、昼の内には中に入ることまでしなかったのでどうなっているのかわかりませんけど、ちょっと入ってみましょう」

靴のまま家に上がり、床がギシギシと音を立てる。

ホラッシー「あれ? わりと綺麗ですね。あまり荒らされているような形跡はありません。廊下を抜けると、ここはキッチンですね。家具もなにも残っていないみたいです」

カメラ内に一瞬だけ花瓶が写り込むが、ホラッシーは気が付かずに次の部屋に進んでいく。