僕「この地図の場所に噂になっている廃村があるっていうの?」
篤「そういうことだろうな。まとめて置いてあったから、無関係じゃないと思う」
僕「もしかして浩平はここへ行ったとか?」
篤「俺はそうじゃないかと思ってる。ってか、他に行方がわかるようなものがなにもないんだよなぁ」

篤は困ったように部屋の中を見まわしました。
ある程度整理整頓された部屋の中は思っていた通り、探し場所が少ないようです。

篤「お前が持ってる本は?」
僕「あぁ、これ。さっきクローゼットの中で見つけたんだ」
篤「消えた村か。浩平、こういうの好きだったもんな」

増々この都市伝説がささやかれている村へ行った可能性が高くなってきました。
会社にも行っていない、連絡も取れない、天涯孤独で帰る場所もない浩平の行方を探す一番のてがかりです。

篤「地図はあるんだし、とにかく行ってみるか」
僕「そうだね」

ここに必ず浩平がいるとは限りませんが、行動しないことには始まりません。
僕たちは地図と都市伝説の書かれた用紙を持って部屋を出たのです。