僕の部屋はもうゴミ箱からゴミが溢れていても、なかなかそれを片づける気にならずそのまま放置していますから。
ともかく、浩平の部屋を調べることになって僕はクローゼットを開いて確認しました。
クローゼットは上下段に分かれていて下段に服の入っているダンボールや衣装ケース、上段には玄関におさまりきれなかった靴や本が積んでありました。
何気なく一番上に置かれている本を手に取ってタイトルを確認してみると、ホラー小説でした。
更にその下も、その下も、積んである本はどれもホラー小説や都市伝説系統ばかり。
相当なホオカルトマニアだったんだなって、このとき初めて知りました。
一番下に置かれている本のタイトルには《消えた村》って書かれていて、日本の廃村に突撃取材した記者の手記みたいでした。
パラパラとめくってみると、写真付きで廃屋や森になってしまった元村の様子がわかるようになっていました。
僕はオカルトはあまり得意ではありませんが、こういう人がいなくなった場所っていうんのはちょっと興味があったので、つい立ち読みしてしまいました。