玄関先で首を吊った女がいるんだとか

浩平「〇〇村に行って突然後ろから襲われたんだ。しばらく気絶してたけど、途中で目が覚めた。そのときはすでに口を塞がれてロープで体も固定されて、麻袋の中に入れられてたんだ。だけど、車に乗せられていることは振動と音でわかったよ」
篤「それから?」
浩平「途中で車が止まって誰かに荷物みたいに担ぎ上げられたんだ。それから体感温度が急に下がって、そこをずっと歩いてた」
僕「本当に階段は使ってないの?」
浩平「あぁ。担ぎ上げられてても階段を下っていくような場所があれば体感で気が付くと思う」
篤「浩平の言う通りかもしれないぞ。イケニエを担いで玄関から入るなんて相当目立つだろうからな。周囲が田畑だけってことは、それだけ見晴らしもよくなってるってことだ」

だんだんと希望が見えてきて、僕たち3人はすぐに地下室内を調べ始めました。
白骨化した人間たちを壁から引き離すとガラガラと音を立てて骨のができあがります。
祭壇に飾ってある意味不明なお札や花瓶を手で払い落し、その奥を調べました。

篤「なにもないな……」

最後には祭壇をひっくり返して調べましたが、通路らしいものは見当たりません。