玄関先で首を吊った女がいるんだとか

和室の床の間には祭壇が設けられ、線香やロウソクに火がともっています。
その奥には掛け軸があり、大きなドクロの絵が薄墨で描かれているのです。
ここが、イケニエを捧げる儀式をする部屋なのでしょうか。
それにしては浩平の姿はどこにも見当たりません。

篤「浩平、返事をしろ!」

浩平はまだ生きていると信じて篤が叫び続けています。
祭壇へと近づいてみたとき、足元に違和感がありました。
畳よ確認してみるとそれは跳ね返り式の扉になっていたのです。
畳の隅を力いっぱい踏みつけると一畳分の畳が浮いて、地下へと続く階段が現れたのです。
その瞬間ムワッとした腐敗集が立ち上ってきて吐き気が込み上げてきました。

篤「この下だ。行こう」

篤がライトを照らし木製の階段を下りて行きます。
一瞬、僕たちが地下に下りたタイミングで地上へのドアを閉められてしまうんじゃないかと懸念した僕は、ドアに隙間ができるように自分の靴を片方だけ置いていくことにしました。
階段を下りて行きついた先にはさっき見たのよりもずっと大きな祭壇が設置され、更に無数の人骨が壁に沿って並べられていたのです。

僕「これ、全部がイケニエ?」