玄関先で首を吊った女がいるんだとか

二宮「さっき説明した通り、河島の祖先は△△村の住民だ。その怨念は万葉にとりつき、そして今でも許していない」
篤「それと浩平がいなくなった理由はどう繋がるんだよ!?」
僕「……イケニエ」

呟いた声がやけに大きく室内に響きました。
△△村ではイケニエ制度があった。
その血を河島はひいている。そして河島の呪いにかかった万葉は……。

万葉「そうよ。私は今でもイケニエを探し続けてる」

万葉はそう言うとマフラーを外しました。
ひらりと地面に落ちたマフラーから視線を外すことができなませんでした。
見ちゃいけない。
見るべきじゃない。
そう思うのに、隣の篤がヒッと悲鳴を上げた瞬間顔を上げてしまいました。
万葉の首にはクッキリと手の痕がついていたのです。
ロープで首を吊ったのなら、手形なんてつかないはずなのに。

二宮「この手形は日に日に濃くなっていくんだ。だけどイケニエを捧げた月は色が少しだけ薄くなる。万葉が生きている時間が伸びるんだ。だから僕たちはこうして人をおびき出してイケニエを捧げ続けることしかできない」
僕「〇〇村の行方不明者たちもですか?」