玄関先で首を吊った女がいるんだとか

促されて玄関先へ向かい、そのまま中へと入って行きました。
人のいる家はやはり空気が暖かく穏やかな雰囲気が漂っていますね。
〇〇村で入った河島家もにのみや家も寒々しかったのですが、それがこの家にはありませんでした。

二宮「帰ったよ」

部屋の奥に声をかけてリビングへ入っていっても、人の姿はありませんでした。
ただ、電気はついているのでどこか別の部屋に誰かがいるのでしょう。
リビングには足のついた背の高いソファと長方形のテーブル、それにオレンジ色のラグマットが引いてあります。
他にも雑多なものが置かれているものの、あたたかな色調で統一されているだめ乱れた様子には見えませんでした。

二宮「なにか飲むかい?」
篤「いりません。それよりも説明をしてください」

僕と篤はソファの隣の床に直接座って、そう言いました。

二宮「やれやれ、気の短い客だな。そんなに浩平くんのことが心配かい?」
僕「あ、当たり前じゃないですか!」
二宮「じゃあ、僕があげたヒントについてはちゃんと調べたかい?」