玄関先で首を吊った女がいるんだとか

僕と篤は何時間もかけて都内から出てきたのですから、二宮さんの居住地が都内ではないことはここで明白になったわけです。

二宮「はじめまして」
篤「……どうも」

はじめて見る二宮さんは30代後半くらいの優男といった見た目をしていました。

僕「二宮さんのお住まいはどこですか?」
二宮「僕は隣町に暮らしているんだよ」
僕「会社は都内ですよね?」
二宮「そうだよ。だけど最近はオンラインで仕事ができるから、どこにいても大丈夫なんだよ」

二宮さんは種明かしをするように楽しそうに笑って言います。
浩平と同じ職場ということでてっきり都心に暮らしていると思い込んでいましたけれど、すっかり騙されていたということです。

篤「浩平の荷物を調べて連絡してきたんですよね?」

篤が怒りを抑えた声で質問しました。
その顔は真っ赤に染まっていて、今にも二宮さんに殴りかかりそうな様子でした。

二宮「そうだよ。浩平くんと僕とは同じリームにいたから、行方不明になったと聞いて一度は会社へ向かったんだ。そのときに君のことを知った」
篤「本当は、浩平がどこに行ったのか知っているんじゃないんですか!?」