僕は、生まれた時から、男の子として育てられていた。

 僕は、姉様たちの身体を知っていたから、僕は姉様たちとは違い、男の子であると思っていた。
 姉様たちと同じモノは、男のモノの後ろに隠れていたからだ。

 けれど、僕は大好きな姉様たちと同じ、女の子になりたかった。
 
 姉様たちに憧れていたからだ。

 いつしか僕は、姉様たちと同じようになりたいと考えていた。姉様たちは、そんな僕の気持ちを察してくれたようで、僕を自分たちと同じ女の子のように扱ってくれた。

 でも、母さんは、何故か僕が女の子でいることを許さなかった。いつもは優しい母さんが、僕が少しでも女の子のような態度をとると、別人のように僕のことを激しく叱りつけた。

 だから、僕は姉様たちの前でだけ、こっそり女の子を演じることにした。僕の大好きな二人の姉様は、最後まで僕を女の子として扱ってくれた。

 僕は、ずっと女の子になりたかった。
 女の子でいたかった。

 けれど、十二歳になってから、アオさんや母さん、それにミトまで、僕を押し倒して、僕の上に乗りかかってくるようになった。

 乗りかかられるたびに、女の子の僕は、気持ち悪くて吐きそうになった。

 そして、男の子としての僕が、その行為を受け入れて、気持ちよさを感じていることが、たまらなく嫌だった。

 そして、僕の心は徐々に壊れていった。
 もう、限界だった。

 でも、そんな時に、レオがこの里にやってきた。

 何故か僕はレオに会わなくてはいけない気がした。
 レオが、僕のことを助けてくれる直感があったからだ。

 レオは僕のことを、女の子として扱ってくれた。
 そして、キスをした後、レオは女の子として僕を抱いてくれた。

 とてもうれしかった。
 閉ざされていた僕の心が解放された気がした。

 だから、僕は最後にアオじゃなくて、レオを選んだんだ。