昭和五十●年八月十五日早朝。
玲央は予定通り計画を実行することを決めた。
効率良く鬼たちを殺すため、玲央は持っていたガソリンの携行缶からガソリンをまき、建物に火を放っていった。
眠りについていた鬼たちは、気づいた時には、周囲を炎に囲まれていた。ある者は炎に焼かれ、またある者は煙を吸い込み、酸欠となって倒れた。
里の建物を焼き尽くした火は、火炎の旋風となり、炎を纏った風が、里中を襲っていった。
玲央は、里からの唯一の出口となる洞窟の入口に立っていた。
そして、運良く火災から逃げ出して洞窟の入口まで避難してきた鬼たちを、玲央は冷静に対魔の銃で撃ち抜いて殺害していった。玲央は玲司の遺品の対魔の銃を持ち込んでいたのだ。
最後に、鬼の始祖の血を引くアオが玲央の前に立ち塞がった。アオはすでに人の姿では無く、恐ろしい鬼の姿へと変貌していた。
「人間ごときが、私の里を、私の同胞を、よくもやってくれたな。お前だけは絶対に許さない! 許さないよ!」
玲央は冷静に聖水入りの弾丸でアオの身体を撃ち抜くが、彼女には効かず、アオに首を絞められながら持ち上げられてしまう。
「その武器は、見覚えがある。なるほど、お前はあの男たちの子孫か。確かに、どことなくあいつらに似ているなあ!」
アオは玲央を睨みつけた。玲央の首を絞める手に力がこもる。
「だが、そんな銃を使おうが無駄だ。私は不死身だからな。あの男たちから聞かなかったのか?」
アオは怒りにまかせて玲央を投げ捨てた。彼はそのまま崖の壁まで飛んでいき、全身を叩きつけられた。
だが、しばらくすると玲央は立ち上がり、自分の頬を叩いて気合いを入れ直すと、自身の持ち物の中から、聖水の瓶を取り出して、そのままアオに投げつけた。
聖水の瓶がアオの身体にぶつかると、アオの全身に聖水が降りかかった。
「ふざけた真似を……」
聖水の原液を浴びたアオは、さすがにダメージを受けたのか、動きが止まった。
「ふん、こんなものは、どうということはないと言っただろうが!」
「カハッ、カハッ、その割には、傷の……治りが……遅いようだが……」
玲央は身体中の痛みに耐えきれず、倒れ込みながら、呟いた。
アオは不老不死の能力を持っているが、すでに炎に身体を焼かれており、一時的に力が弱っていた。
玲央はアキの再生能力が熱で弱体化することを、祖父の手記を見て知っていた。
それで、レオは里の家中に火を放ったのだ。
「お前が……熱に弱いことは……知っていた。ハァッ、ハァッ……俺の曽祖父さんや祖父さんが……命を懸けて……俺に教えてくれたんだ」
「ふん、それがどうした。すでに死にかけたお前にはもう、何も出来ないよ。外の人間も皆殺しだ。奴らの命を奪って、私の仲間に与えて復活させてやる!」
玲央は予定通り計画を実行することを決めた。
効率良く鬼たちを殺すため、玲央は持っていたガソリンの携行缶からガソリンをまき、建物に火を放っていった。
眠りについていた鬼たちは、気づいた時には、周囲を炎に囲まれていた。ある者は炎に焼かれ、またある者は煙を吸い込み、酸欠となって倒れた。
里の建物を焼き尽くした火は、火炎の旋風となり、炎を纏った風が、里中を襲っていった。
玲央は、里からの唯一の出口となる洞窟の入口に立っていた。
そして、運良く火災から逃げ出して洞窟の入口まで避難してきた鬼たちを、玲央は冷静に対魔の銃で撃ち抜いて殺害していった。玲央は玲司の遺品の対魔の銃を持ち込んでいたのだ。
最後に、鬼の始祖の血を引くアオが玲央の前に立ち塞がった。アオはすでに人の姿では無く、恐ろしい鬼の姿へと変貌していた。
「人間ごときが、私の里を、私の同胞を、よくもやってくれたな。お前だけは絶対に許さない! 許さないよ!」
玲央は冷静に聖水入りの弾丸でアオの身体を撃ち抜くが、彼女には効かず、アオに首を絞められながら持ち上げられてしまう。
「その武器は、見覚えがある。なるほど、お前はあの男たちの子孫か。確かに、どことなくあいつらに似ているなあ!」
アオは玲央を睨みつけた。玲央の首を絞める手に力がこもる。
「だが、そんな銃を使おうが無駄だ。私は不死身だからな。あの男たちから聞かなかったのか?」
アオは怒りにまかせて玲央を投げ捨てた。彼はそのまま崖の壁まで飛んでいき、全身を叩きつけられた。
だが、しばらくすると玲央は立ち上がり、自分の頬を叩いて気合いを入れ直すと、自身の持ち物の中から、聖水の瓶を取り出して、そのままアオに投げつけた。
聖水の瓶がアオの身体にぶつかると、アオの全身に聖水が降りかかった。
「ふざけた真似を……」
聖水の原液を浴びたアオは、さすがにダメージを受けたのか、動きが止まった。
「ふん、こんなものは、どうということはないと言っただろうが!」
「カハッ、カハッ、その割には、傷の……治りが……遅いようだが……」
玲央は身体中の痛みに耐えきれず、倒れ込みながら、呟いた。
アオは不老不死の能力を持っているが、すでに炎に身体を焼かれており、一時的に力が弱っていた。
玲央はアキの再生能力が熱で弱体化することを、祖父の手記を見て知っていた。
それで、レオは里の家中に火を放ったのだ。
「お前が……熱に弱いことは……知っていた。ハァッ、ハァッ……俺の曽祖父さんや祖父さんが……命を懸けて……俺に教えてくれたんだ」
「ふん、それがどうした。すでに死にかけたお前にはもう、何も出来ないよ。外の人間も皆殺しだ。奴らの命を奪って、私の仲間に与えて復活させてやる!」



