青い花の里の物語〜因習村と半陰陽の少年の真実〜

 僕の名前はアキ。
 この青い花がたくさん咲いている里に住んでる12歳の男の子だ。
 
 僕には姉さんが二人いる。
 だけど、姉さんたちと僕の身体は違うんだ。
 だから、僕は「男の子」なんだ。
 姉さんたちが持っていないものを僕は持っているからね。
 
 最初に、僕の家族を紹介するね。
 
 僕のお父さんはシキ。
 厳しいけど、思いやりをもって接してくれる、僕の最高の父さん。
 背が高くて年齢からしたらとてもかっこいいみたいで、母さん以外の女性から好意を持たれることもあったみたい。
 でも、父さんはその度に、自分には連れと家族がいるからと断っていた。
 見た目に似合わず意外と不器用で、母さんや姉さんからは呆れられることもあった。
 でも、意外かもしれないけど、料理は得意で、よく僕たちに美味しい肉料理を振る舞ってくれた。
 
 僕のお母さんはナミ。
 優しくて、胸の大きな、僕の最高のお母さん。
 父さんよりも大分若いけど、それでも父さんとは仲がよくて、よく二人で手を繋いでいたんだ。
 でも、母さんは時々発作を起こして倒れてしまうことがあった。
 そんな時は、僕と姉さんたちでお母さんの看病をしていた。
 
 そしてさっき話した通り、僕には姉が二人いる。
 ハル姉さんとナツ姉さん。
 どちらも僕を可愛がってくれる僕の大好きな姉様だ。
 
 ハル姉さんは長女で、母さんに似ていて胸が大きかった。
 よく僕が泣いていると、僕の顔を大きな胸に押し付けて、慰めてくれたんだ。
 
 ナツ姉さんは次女で、胸はハル姉さんよりも小さいけれど、身体がムチムチしていて、抱きしめられるととても気持ちよかった。
 よくナツ姉さんは僕が眠れない時に、僕のことを抱きしめながら、一緒に眠ってくれたんだ。
 
 そして、幼馴染のミト。
 僕とミトは小さな頃から本当の姉弟のように仲が良かった。
 ミトはしっかり者で、歳は同じだけど、僕の二人の姉さんたちより、お姉ちゃんみたいな存在だった。
 僕たちは、よくかくれんぼをして遊んでいた。
 でも、どんなにうまく隠れても、いつもミトは僕のことを見つけてしまうんだ。
 理由を聞いても、ミトは笑っているだけで、教えてくれなかったけど。
 ミトのお母さんはウミさんといって、僕の同級生のソラくんのお母さんのことを助ける仕事をしている。
 ウミさんとミトは仲が良くて、一緒にいる時は、いつも手を繋いでいるんだ。
 そして、ウミさんはミトと仲がいい僕とも、本当の親子みたいに接してくれた。

 僕の父さんや母さん、二人の姉さん、ミトと、そして同じ里の人たち。

 僕はいつも、みんなから優しくされていた。

 一度父さんに、何でみんな僕に優しくしてくれるんだろうと聞いたことがある。
 父さんは、真剣な顔で、僕が特別な存在だからと教えてくれた。
 でも、その時の父さんは、何故か悲しそうな顔をしていたんだ。