その日は土曜日だった。
久しぶりの休日。最近は仕事も落ち着いていて、今日は一日つゆと過ごせると思って、朝からワクワクしていた。
つゆと遊んで、一緒にお昼寝をして、夕方にはペットショップに行こう。
新しいおもちゃを買ってあげたい。
そんなことを考えながら、洗濯物を干していた時だった。
インターホンが鳴った。
心臓が跳ねた。
誰だろう。宅配便?
でも、何も頼んでいない。
恐る恐るモニターを見ると、見覚えのある顔が映っていた。
大家の北山さんだった。
六十代の、少し厳しそうな女性。
入居時に一度会っただけだったが、その時の印象が強く残っていた。
規約は絶対に守ってください、と何度も念を押された。
まさか、バレた……?
手が震え、冷や汗が背中を伝う。
でも、居留守を使うわけにもいかない。
「はい」
インターホンに出ると、北山さんの声が聞こえた。
「佐々木さん?北山です。ちょっとお話があるんですけど」
「あ、はい。今開けます」
つゆを見ると、つゆはリビングで、おもちゃで遊んでいた。
どうしよう。隠さなきゃ。
でも、どこに?
慌てて寝室に行き、クローゼットを開ける。
「つゆ、ごめんね。ちょっとだけ、ここにいて」
つゆを抱き上げて、クローゼットの中に入れた。
つゆは不安そうに「みゃあ」と鳴いたが、私はそっとドアを閉めた。
猫のおもちゃや食器を急いで片付ける。
トイレも、クローゼットの奥に押し込んだ。
深呼吸をしてから、玄関を開けた。
「お邪魔します」
北山さんは、私の緊張した様子など気にせず、部屋に入ってきた。
「あの、何か」
「実は、下の階の方から苦情が来てましてね」
下の階。
心臓がバクバクと音を立てる。
「夜中に、ドタバタという音がすると。何か重いものを落としてるんじゃないかって」
「あ」
つゆだ。夜中に走り回る音だ。
「すみません。気をつけます」
「それだけじゃないんです」
北山さんは、少し眉をひそめた。
「動物の鳴き声も聞こえるって」
終わった……そう思った。
「ペット、飼ってますか?」
北山さんの声は、低く、厳しかった。
嘘をつこうか。
でも、もう無理だ。いつかバレる。今日じゃなくても、いつか。
それなら。
「はい」
私は、観念した。
「猫を、飼っています」
北山さんの顔が、さらに厳しくなった。
「規約、読みましたよね?ペット不可って、ちゃんと書いてあるはずですけど」
「はい。でも……」
言い訳をしようとして、でも言葉が出てこなかった。
何を言っても、言い訳にしかならない。
「すぐに、処分してください」
処分……その言葉が、胸に突き刺さった。
「処分って」
「保健所なり、里親なり、探してください。一週間以内に」
「待ってください」
私は、必死に頭を下げた。
「お願いします。この子は、私が拾った子で。雨の中で、震えていて。だから、放っておけなくて……」
「それは、あなたの都合でしょう」
北山さんは、ピシャリと冷たく言い放った。
「規約違反です。他の住人の迷惑にもなってる。一週間、猶予はあげますから、それまでに何とかしてください」
「お願いします。もう少しだけ」
「これ以上は無理です。規約は規約ですから」
北山さんは、そう言って玄関に向かった。
「一週間後、また確認に来ます。それまでに、ちゃんと対応してくださいね」
ドアが閉まる音が、やけに大きく聞こえた。
私はその場に、崩れ落ちた。
膝から力が抜けて、立っていられなかった。
どうしよう……つゆを、手放さなきゃいけないの?
その時、クローゼットから、小さな鳴き声が聞こえた。
「みゃあ、みゃあ」
慌てて寝室に行き、ドアを開ける。
つゆが飛び出してきて、私の足元にすり寄った。
不安だったのだろう。
ずっと鳴いていたのかもしれない。
「ごめんね、つゆ。怖かったね」
抱き上げると、つゆは私の胸に顔を埋めた。
小さな体が、震えている。
その姿を見て、涙が出た。
止まらなかった。
「どうしよう、つゆ。私、どうしたらいいの」
つゆは、何も言わない。ただ、私の腕の中で小さく鳴くだけ。
その声が、余計に胸を締め付けた。
その日は、一日中泣いていた。
つゆを抱きしめて、ソファで丸くなって。
どうすればいいのか、わからなかった。
引っ越す?
でも、ペット可の物件は家賃が高い。今の給料では、とても払えない。
里親を探す?
でも、つゆを手放すなんて、考えられない。
もう家族なのに。
私の全てなのに。
夜になっても、答えは出なかった。
つゆは、いつものように私の膝の上で眠っている。
無邪気に、安心しきった顔で。
この子は、何も知らない。
一週間後に、私と離れ離れになるかもしれないなんて。
「ごめんね、つゆ」
そっと頭を撫でた。
「私、あなたを守ってあげられないかもしれない」
つゆは、小さく喉を鳴らした。
ゴロゴロゴロ。
その音が、優しくて、温かくて……また涙が溢れた。
翌日の日曜日。
朝から、スマホでペット可の物件を検索した。
でも、どれも今の家賃より一万円以上高い。
敷金礼金を考えると、引っ越し費用だけで五十万円以上かかる。
そんなお金、ない。
次に、里親募集のサイトを見た。
たくさんの猫たちの写真が並んでいる。みんな、新しい家族を探している。
つゆの写真を載せたら、すぐに応募が来るだろうか。
でも、手が動かなかった。
無理だ……つゆを、他の誰かに渡すなんて。
考えるだけで、胸が苦しい。
月曜日、会社に行った。
でも、仕事が手につかなかった。
つゆのことばかり考えてしまう。
どうしよう。どうしよう。
頭の中で、その言葉だけがぐるぐると回っていた。
昼休み、田中先輩が声をかけてきた。
「佐々木さん、大丈夫?なんか元気ないけど」
「あ、はい。大丈夫です」
嘘をついた。
でも、田中先輩は首を傾げた。
「そう……?何か困った事があったら遠慮なく言って?」
「ありがとうございます」
優しさが、胸に染みた。
そして、思い切って聞いてみた。
「あの、田中先輩」
「ん?」
「もし、猫を手放さなきゃいけなくなったら、どうしますか」
田中先輩は、少し驚いたような顔をした。
「え?もしかして、つゆちゃんのこと?」
「……はい。実は、アパートがペット不可で。大家さんにバレてしまって」
そこまで話すと、田中先輩は真剣な顔になった。
「ええっ!大変じゃないか」
「一週間以内に、何とかしろって言われて。でも、引っ越すお金もないし、里親を探すのも」
声が震えた。
涙が出そうになって、必死に堪えた。
「佐々木さん」
田中先輩は、優しい声で言った。
「俺、不動産に詳しい友達がいるんだ。ペット可の物件で、安いところ、探してもらえるかもしれない」
「ほ、本当ですか?!」
「うん。連絡してみるよ。それと」
田中先輩は少し考えてから、続けた。
「もし、どうしても見つからなかったら、うちで一時的に預かることもできるよ」
「え」
「俺んち、猫いるし。もう一匹くらい大丈夫」
その言葉に、涙がこぼれそうになった。
「あ、ありがとうございます!」
「いいよいいよ。猫仲間だからね」
田中先輩は、笑って言った。
「でも、きっと大丈夫。いい物件、見つかるよ」
その日の夕方、田中先輩から連絡があった。
「佐々木さん、友達に聞いてみたんだけど、いい物件があるって」
「本当ですか?!」
「うん。今の家賃より五千円高いくらいで、ペット可。駅からも近いって」
「見学、できますか?」
「明日の夜、どう?友達が案内してくれるって」
「お願いします!」
初めて、希望が見えた気がした。
翌日の夜、田中先輩と一緒に物件を見に行った。
駅から徒歩七分。
少し古いアパートだったが、日当たりも良く、部屋も広かった。
「ペット可なんですか?」
不動産屋の方に聞くと、笑顔で答えてくれた。
「はい。大家さんも動物好きで。小型のペットなら大歓迎だそうです」
信じられなかった。
こんな物件があるなんて。
「家賃は?」
「今お住まいのところと比べて、月五千円高くなります。ただ、敷金礼金は交渉できると思いますよ」
計算してみる。
引っ越し費用は、貯金を崩せば何とかなりそうだ。
月々の家賃も、少し節約すれば払える。
「ここに、します」
即決だった。
「本当に?」
田中先輩が驚いた顔をした。
「はい。つゆと一緒に暮らせるなら」
そう言うと、不動産屋の方も田中先輩も、嬉しそうに笑った。
「じゃあ、手続き進めますね」
その夜、家に帰ると、つゆがいつものように玄関で待っていた。
「ただいま、つゆ」
抱き上げると、つゆは嬉しそうに喉を鳴らした。
「いいニュースがあるよ」
リビングのソファに座って、つゆを膝の上に乗せる。
「私たち、引っ越すの。新しいおうち。もっと広くて、明るくて。それで、ペット可だから、つゆと堂々と一緒に暮らせるの」
つゆは、きょとんとした顔でこちらを見ている。
「手放さなくていいの。ずっと一緒にいられるの」
涙が出た。
でも今度は、嬉しい涙だった。
「よかった。本当に、よかった」
つゆを抱きしめた。
つゆは、少し驚いたように「みゃあ」と鳴いたが、すぐに私の腕の中で落ち着いた。
小さな温かさ。
守りたいと思った。
この子を、絶対に守る。
そう、心に誓った。
久しぶりの休日。最近は仕事も落ち着いていて、今日は一日つゆと過ごせると思って、朝からワクワクしていた。
つゆと遊んで、一緒にお昼寝をして、夕方にはペットショップに行こう。
新しいおもちゃを買ってあげたい。
そんなことを考えながら、洗濯物を干していた時だった。
インターホンが鳴った。
心臓が跳ねた。
誰だろう。宅配便?
でも、何も頼んでいない。
恐る恐るモニターを見ると、見覚えのある顔が映っていた。
大家の北山さんだった。
六十代の、少し厳しそうな女性。
入居時に一度会っただけだったが、その時の印象が強く残っていた。
規約は絶対に守ってください、と何度も念を押された。
まさか、バレた……?
手が震え、冷や汗が背中を伝う。
でも、居留守を使うわけにもいかない。
「はい」
インターホンに出ると、北山さんの声が聞こえた。
「佐々木さん?北山です。ちょっとお話があるんですけど」
「あ、はい。今開けます」
つゆを見ると、つゆはリビングで、おもちゃで遊んでいた。
どうしよう。隠さなきゃ。
でも、どこに?
慌てて寝室に行き、クローゼットを開ける。
「つゆ、ごめんね。ちょっとだけ、ここにいて」
つゆを抱き上げて、クローゼットの中に入れた。
つゆは不安そうに「みゃあ」と鳴いたが、私はそっとドアを閉めた。
猫のおもちゃや食器を急いで片付ける。
トイレも、クローゼットの奥に押し込んだ。
深呼吸をしてから、玄関を開けた。
「お邪魔します」
北山さんは、私の緊張した様子など気にせず、部屋に入ってきた。
「あの、何か」
「実は、下の階の方から苦情が来てましてね」
下の階。
心臓がバクバクと音を立てる。
「夜中に、ドタバタという音がすると。何か重いものを落としてるんじゃないかって」
「あ」
つゆだ。夜中に走り回る音だ。
「すみません。気をつけます」
「それだけじゃないんです」
北山さんは、少し眉をひそめた。
「動物の鳴き声も聞こえるって」
終わった……そう思った。
「ペット、飼ってますか?」
北山さんの声は、低く、厳しかった。
嘘をつこうか。
でも、もう無理だ。いつかバレる。今日じゃなくても、いつか。
それなら。
「はい」
私は、観念した。
「猫を、飼っています」
北山さんの顔が、さらに厳しくなった。
「規約、読みましたよね?ペット不可って、ちゃんと書いてあるはずですけど」
「はい。でも……」
言い訳をしようとして、でも言葉が出てこなかった。
何を言っても、言い訳にしかならない。
「すぐに、処分してください」
処分……その言葉が、胸に突き刺さった。
「処分って」
「保健所なり、里親なり、探してください。一週間以内に」
「待ってください」
私は、必死に頭を下げた。
「お願いします。この子は、私が拾った子で。雨の中で、震えていて。だから、放っておけなくて……」
「それは、あなたの都合でしょう」
北山さんは、ピシャリと冷たく言い放った。
「規約違反です。他の住人の迷惑にもなってる。一週間、猶予はあげますから、それまでに何とかしてください」
「お願いします。もう少しだけ」
「これ以上は無理です。規約は規約ですから」
北山さんは、そう言って玄関に向かった。
「一週間後、また確認に来ます。それまでに、ちゃんと対応してくださいね」
ドアが閉まる音が、やけに大きく聞こえた。
私はその場に、崩れ落ちた。
膝から力が抜けて、立っていられなかった。
どうしよう……つゆを、手放さなきゃいけないの?
その時、クローゼットから、小さな鳴き声が聞こえた。
「みゃあ、みゃあ」
慌てて寝室に行き、ドアを開ける。
つゆが飛び出してきて、私の足元にすり寄った。
不安だったのだろう。
ずっと鳴いていたのかもしれない。
「ごめんね、つゆ。怖かったね」
抱き上げると、つゆは私の胸に顔を埋めた。
小さな体が、震えている。
その姿を見て、涙が出た。
止まらなかった。
「どうしよう、つゆ。私、どうしたらいいの」
つゆは、何も言わない。ただ、私の腕の中で小さく鳴くだけ。
その声が、余計に胸を締め付けた。
その日は、一日中泣いていた。
つゆを抱きしめて、ソファで丸くなって。
どうすればいいのか、わからなかった。
引っ越す?
でも、ペット可の物件は家賃が高い。今の給料では、とても払えない。
里親を探す?
でも、つゆを手放すなんて、考えられない。
もう家族なのに。
私の全てなのに。
夜になっても、答えは出なかった。
つゆは、いつものように私の膝の上で眠っている。
無邪気に、安心しきった顔で。
この子は、何も知らない。
一週間後に、私と離れ離れになるかもしれないなんて。
「ごめんね、つゆ」
そっと頭を撫でた。
「私、あなたを守ってあげられないかもしれない」
つゆは、小さく喉を鳴らした。
ゴロゴロゴロ。
その音が、優しくて、温かくて……また涙が溢れた。
翌日の日曜日。
朝から、スマホでペット可の物件を検索した。
でも、どれも今の家賃より一万円以上高い。
敷金礼金を考えると、引っ越し費用だけで五十万円以上かかる。
そんなお金、ない。
次に、里親募集のサイトを見た。
たくさんの猫たちの写真が並んでいる。みんな、新しい家族を探している。
つゆの写真を載せたら、すぐに応募が来るだろうか。
でも、手が動かなかった。
無理だ……つゆを、他の誰かに渡すなんて。
考えるだけで、胸が苦しい。
月曜日、会社に行った。
でも、仕事が手につかなかった。
つゆのことばかり考えてしまう。
どうしよう。どうしよう。
頭の中で、その言葉だけがぐるぐると回っていた。
昼休み、田中先輩が声をかけてきた。
「佐々木さん、大丈夫?なんか元気ないけど」
「あ、はい。大丈夫です」
嘘をついた。
でも、田中先輩は首を傾げた。
「そう……?何か困った事があったら遠慮なく言って?」
「ありがとうございます」
優しさが、胸に染みた。
そして、思い切って聞いてみた。
「あの、田中先輩」
「ん?」
「もし、猫を手放さなきゃいけなくなったら、どうしますか」
田中先輩は、少し驚いたような顔をした。
「え?もしかして、つゆちゃんのこと?」
「……はい。実は、アパートがペット不可で。大家さんにバレてしまって」
そこまで話すと、田中先輩は真剣な顔になった。
「ええっ!大変じゃないか」
「一週間以内に、何とかしろって言われて。でも、引っ越すお金もないし、里親を探すのも」
声が震えた。
涙が出そうになって、必死に堪えた。
「佐々木さん」
田中先輩は、優しい声で言った。
「俺、不動産に詳しい友達がいるんだ。ペット可の物件で、安いところ、探してもらえるかもしれない」
「ほ、本当ですか?!」
「うん。連絡してみるよ。それと」
田中先輩は少し考えてから、続けた。
「もし、どうしても見つからなかったら、うちで一時的に預かることもできるよ」
「え」
「俺んち、猫いるし。もう一匹くらい大丈夫」
その言葉に、涙がこぼれそうになった。
「あ、ありがとうございます!」
「いいよいいよ。猫仲間だからね」
田中先輩は、笑って言った。
「でも、きっと大丈夫。いい物件、見つかるよ」
その日の夕方、田中先輩から連絡があった。
「佐々木さん、友達に聞いてみたんだけど、いい物件があるって」
「本当ですか?!」
「うん。今の家賃より五千円高いくらいで、ペット可。駅からも近いって」
「見学、できますか?」
「明日の夜、どう?友達が案内してくれるって」
「お願いします!」
初めて、希望が見えた気がした。
翌日の夜、田中先輩と一緒に物件を見に行った。
駅から徒歩七分。
少し古いアパートだったが、日当たりも良く、部屋も広かった。
「ペット可なんですか?」
不動産屋の方に聞くと、笑顔で答えてくれた。
「はい。大家さんも動物好きで。小型のペットなら大歓迎だそうです」
信じられなかった。
こんな物件があるなんて。
「家賃は?」
「今お住まいのところと比べて、月五千円高くなります。ただ、敷金礼金は交渉できると思いますよ」
計算してみる。
引っ越し費用は、貯金を崩せば何とかなりそうだ。
月々の家賃も、少し節約すれば払える。
「ここに、します」
即決だった。
「本当に?」
田中先輩が驚いた顔をした。
「はい。つゆと一緒に暮らせるなら」
そう言うと、不動産屋の方も田中先輩も、嬉しそうに笑った。
「じゃあ、手続き進めますね」
その夜、家に帰ると、つゆがいつものように玄関で待っていた。
「ただいま、つゆ」
抱き上げると、つゆは嬉しそうに喉を鳴らした。
「いいニュースがあるよ」
リビングのソファに座って、つゆを膝の上に乗せる。
「私たち、引っ越すの。新しいおうち。もっと広くて、明るくて。それで、ペット可だから、つゆと堂々と一緒に暮らせるの」
つゆは、きょとんとした顔でこちらを見ている。
「手放さなくていいの。ずっと一緒にいられるの」
涙が出た。
でも今度は、嬉しい涙だった。
「よかった。本当に、よかった」
つゆを抱きしめた。
つゆは、少し驚いたように「みゃあ」と鳴いたが、すぐに私の腕の中で落ち着いた。
小さな温かさ。
守りたいと思った。
この子を、絶対に守る。
そう、心に誓った。

