この世界は不平等だ。
背が高くてイケメンで、それだけで羨ましいってのに、頭も良くてスポーツもできて……何がお前の弱みなんだ? っていうヤツがいる。
一方俺は、身長166センチと低めで、誰もが振り向かない背景に徹するモブ顔のごくごく普通の一般男子高校生だ。
カノジョなんてできたこともない。友達も少ない。部活一筋で中学生の頃からやってきた。
それでもありがたいことに毎日楽しく平和で平凡に暮らしている。
唯一、特徴があるとすれば、今はバレー部の部長をやっていることくらいだろうか。
──大吉創。
今日、主に女子の間で噂になっていた『イケメン転校生』が、なぜか俺のクラス─2年生の教室─にやって来た。
「あの、小野寺先輩」
俺は廊下の方から自分の苗字を呼ばれ、反射的に振り返ってしまう。
180センチはありそうな長身に、整った顔立ち。大きな茶色の瞳に色素の薄い白い肌。某国民的アイドルを思わせるその姿は輝いて見えた。
同性の俺から見てもイケメンだと思う。
これが噂の大吉創ってヤツか?
背が高くてイケメンで、それだけで羨ましいってのに、頭も良くてスポーツもできて……何がお前の弱みなんだ? っていうヤツがいる。
一方俺は、身長166センチと低めで、誰もが振り向かない背景に徹するモブ顔のごくごく普通の一般男子高校生だ。
カノジョなんてできたこともない。友達も少ない。部活一筋で中学生の頃からやってきた。
それでもありがたいことに毎日楽しく平和で平凡に暮らしている。
唯一、特徴があるとすれば、今はバレー部の部長をやっていることくらいだろうか。
──大吉創。
今日、主に女子の間で噂になっていた『イケメン転校生』が、なぜか俺のクラス─2年生の教室─にやって来た。
「あの、小野寺先輩」
俺は廊下の方から自分の苗字を呼ばれ、反射的に振り返ってしまう。
180センチはありそうな長身に、整った顔立ち。大きな茶色の瞳に色素の薄い白い肌。某国民的アイドルを思わせるその姿は輝いて見えた。
同性の俺から見てもイケメンだと思う。
これが噂の大吉創ってヤツか?
