「残りはお土産にあげるから」
「でも僕のところは違法で……」
「帰るまでに食べたらいいよ」
「そうですね!」
 バーンはまた目を輝かせた。

「でもこれ、封を切れる?」
「宇宙船には道具があるから大丈夫です!」
 バーンはうきうきを隠さずに答えた。
「お前、今晩は泊ってくだろ?」
 マカロがバーンに言い、バーンは美遥を見た。

「いいんですか?」
「いいよ。でもマカロと一緒に寝てね」

「はい。先輩、よろしくです!」
「まあ、仕方ねーな」
 美遥はまた苦笑した。すっかり自分の家のようにしているマカロ。最初から態度がでかかったが、さらに態度がでかい。
 そんな彼ももう見納めだ。

「記念写真撮ろうよ!」
「いいですね」
「一枚くらいならいいぞ」
 酔った三人でスマホで撮影すると、俺も僕もと撮影大会が始まる。
 こうして三人の秋の夜は更けていった。