「そうだった。食べてもらわないと、残しても仕方ないし」
 美遥はシンク下から出した猫缶をぱかっと開けて皿に出した。
「うわあ、いいにおい!」
 目を輝かせたバーンが鼻をひくひくさせ、マカロが舌舐めずりをする。

「猫缶は自力で開けられないからなあ」
「そうだ、あれも出そうか」
 美遥は液状のおやつを出して皿に盛って出した。

「こ、これは……!」
 バーンは両前足で自分の鼻を押さえた。
「禁断のあれじゃないですか……! でもここでは合法なんですよね!?」

「お前の星だと禁止されてたっけか?」
「そうなんですよ。最近は密輸が摘発されて話題になってて……」

「そんなことになってんの?」
 美遥はきょとんとして彼らを見たあと、はっとした。
「もしかして三毛猫が推理して事件を解決したりとか?」
「警備担当は三毛に限らずいますよ」
 いまいち伝わってない感じで滑ってしまい、美遥はしょっぱい顔をした。

「これ、うまいんだよな」
 マカロは遠慮なく液状おやつを食べて、バーンはうらやましそうにそれを見る。
「バーンも食べてよ」
 美遥はもう一本取り出して言う。

「誘惑しないでください!」
「大丈夫だって」
 バーンの目の前で、マカロは空になった皿を手に美味しそうに舐める。