やはり引き留めないほうがいいのだろう。地球だって住み心地はいいと思うが、自分だって、たとえば外国で事故にあって帰れなくなったとして、そこがいかに住み心地がよくても日本に帰りたくなるに違いない。
「最後に最高のおもてなしをしなくちゃ」
美遥はため息まじりにつぶやいた。
「猫ならまたたびが好きですよね」
「今まであげてなかったんだよね。買って帰ろうっと」
「動画とりまくらないとですね」
「またたびで酔っぱらってる隙に撮っちゃおうかな。あ、寝てる間に撮るのもありか!」
笑子のおかげで気を取り直した美遥は、それからの仕事を張り切ってこなした。
仕事が終わるとお店のペットコーナーに寄ってまたたびを買った。猫用のケーキもあったから買ってしまった。彼は宇宙人だから人間の食べ物も大丈夫というが、やはり気を使う。
スーパーでは刺身に加え、またたび酒なんていうものを見かけたので、それも買う。これは人間用だ。パッケージにはまたたびは疲労回復に効果がある、と書いてあった。気になって調べてみると、またたびは生薬としても使えて、またたびの実の塩漬けやみそづけもあるのだという。
思いがけない大荷物を抱えて帰り、苦労して鍵を開け、ドアを開ける。
「ただいま~」
声をかけると、ひょいと顔を覗かせた猫に目を丸くした。
そこにいたのは、サイアミーズのようなポインテッドカラーの細身の猫。顔、耳、手足、長いしっぽが焦げたように茶色だ。目は水色で、ちょっとより目っぽいのがかわいらしい。チェックの青い蝶ネクタイの首輪をしている。
「最後に最高のおもてなしをしなくちゃ」
美遥はため息まじりにつぶやいた。
「猫ならまたたびが好きですよね」
「今まであげてなかったんだよね。買って帰ろうっと」
「動画とりまくらないとですね」
「またたびで酔っぱらってる隙に撮っちゃおうかな。あ、寝てる間に撮るのもありか!」
笑子のおかげで気を取り直した美遥は、それからの仕事を張り切ってこなした。
仕事が終わるとお店のペットコーナーに寄ってまたたびを買った。猫用のケーキもあったから買ってしまった。彼は宇宙人だから人間の食べ物も大丈夫というが、やはり気を使う。
スーパーでは刺身に加え、またたび酒なんていうものを見かけたので、それも買う。これは人間用だ。パッケージにはまたたびは疲労回復に効果がある、と書いてあった。気になって調べてみると、またたびは生薬としても使えて、またたびの実の塩漬けやみそづけもあるのだという。
思いがけない大荷物を抱えて帰り、苦労して鍵を開け、ドアを開ける。
「ただいま~」
声をかけると、ひょいと顔を覗かせた猫に目を丸くした。
そこにいたのは、サイアミーズのようなポインテッドカラーの細身の猫。顔、耳、手足、長いしっぽが焦げたように茶色だ。目は水色で、ちょっとより目っぽいのがかわいらしい。チェックの青い蝶ネクタイの首輪をしている。



