もしかして毛皮は宇宙服のようなもの? いやだ、そんなことは認めたくない!
 いつものように彼にごはんをあげたあとにシャワーを浴びて、自分のごはんを食べる。
 その間、彼はご機嫌そうに自分の端末を眺めていた。
 ごはんを終えた美遥は液状おやつを取り出して彼に聞く。

「これ食べる?」
「食べる! けど、いつもならダメって言うのにどうした?」

「……もうすぐお別れなのかと思うと」
 しょんぼりして美遥が言うと、彼は声を上げて笑った。

「なんだ、そんなことか」
「そんなことって!」

「そもそも俺が地球に落ちたのは不慮の事故だ。旅行気分で楽しませてもらったが、帰ることはわかってたことだろうが」
「そうだけど……」
 美遥の口が不満いっぱいに尖る。