「地球人はまったくちょろい。ここを猫の惑星にしてやる」
「猫の惑星……」
 猫耳が生えた地球を想像し、美遥はほんわかしてしまった。

 彼は地球を猫まみれにしたいようだが、なんだかそれは幸せそうだ。彼らの技術があれば猫アレルギーは治せるのだろうし、猫嫌いな人は洗脳光線で洗脳してしまいそうだ。

「なんか疲れた。あれ買って帰ろうぜ」
 マカロがすくっと立ち上がり、美遥は慌てた。

「二歩足で歩いちゃだめ」
「じゃあお前がだっこしろ」

「重いから無理だよ」
「下僕のくせに」
 ぶつくさ文句を言いながらマカロが四歩足で歩き出す。

 帰ったら猫用のリュックを買おうかな、と美遥は思う。宇宙船型のリュックにしたらマカロはなんて言うのかな。でも重いから背負うのも無理かな?
 小春日和の日差しの下、美遥はマカロと寄り添って歩いていた。