日曜日の朝。
「今日は外へ行くぞ」
　マカロの言葉に、トーストを食べていた美遥は彼を見た。

「なにしに？」
「偵察だ。ただ救助を待つのも暇だからな、侵略がどの程度進んでいるのかを現地で偵察しておきたい」
　コーヒーを飲み、美遥は首を傾ける。

「普通の猫のふり、できる？」
「俺を誰だと思ってる」

「キャット星人でしょ」
「そうだ。そこらの人間より賢いキャット星人だ」

「そう言われるとむしろ……」
　おバカっぽい、という言葉を美遥は飲み込んだ。言ったら怒るに決まってる。

「ちゃんと四歩足で歩ける？」
「めんどくさいな」
　マカロは不快気に耳をぴっと震わせた。

「じゃあダメ」
「めんどくさいと言っただけで、やらないとは言ってないだろ」

「めんどくさいやつ……」
　美遥は肩をすくめてまたコーヒーを飲んだ。
　昼過ぎ、暖かな日差しが注ぐ中、美遥とマカロは外に出た。