「話くらい聞いてあげようよ」
「お前はお人好しだにゃ!」
「私からごはんもらっておいて、それ言う?」
「それとこれは別にゃ!」
都合がよすぎる、とあきれるが猫だからこんなものだろうか。語尾に「にゃ」がつき始めたのも猫のきまぐれだろうか。
「私は聞きたい。どんな事情があるの?」
「それがね!」
よくぞ聞いてくれました! と言わんばかりに顔を輝かせ、犬は話し始める。
犬はマロンという名前だった。飼われているご家庭の少女とすごく仲が良かったが、マロンは寿命が来て亡くなってしまった。
「俺が死んだとき、すごく泣いててさ。だからあの世に行く前にもう一度会いに行ったんだ。だけど」
言い淀む彼に、私は首をかしげる。
「飼い主には見えなかったんだろ」
ルナの言葉に、マロンの耳がさらに垂れた。しっぽも元気がなくしょんぼりしている。
「だから猫又のしっぽをひろったときに、これがあれば見てもらえると思った。けど、また見えなかったら……」
飼い主に見えなかったことで彼は一度、傷付いた。また傷付くのが嫌で勇気が持てなかったのだろう。
「行かないなら返すにゃ!」
「行くよ、行くけどさ、まだ……」
マロンは弱気でぼそぼそと答える。ルナは黒いしっぽをくわえてぐいっと引っ張る。が、抜けなかった。
「痛い!」
マロンが悲鳴を上げる。
「お前はお人好しだにゃ!」
「私からごはんもらっておいて、それ言う?」
「それとこれは別にゃ!」
都合がよすぎる、とあきれるが猫だからこんなものだろうか。語尾に「にゃ」がつき始めたのも猫のきまぐれだろうか。
「私は聞きたい。どんな事情があるの?」
「それがね!」
よくぞ聞いてくれました! と言わんばかりに顔を輝かせ、犬は話し始める。
犬はマロンという名前だった。飼われているご家庭の少女とすごく仲が良かったが、マロンは寿命が来て亡くなってしまった。
「俺が死んだとき、すごく泣いててさ。だからあの世に行く前にもう一度会いに行ったんだ。だけど」
言い淀む彼に、私は首をかしげる。
「飼い主には見えなかったんだろ」
ルナの言葉に、マロンの耳がさらに垂れた。しっぽも元気がなくしょんぼりしている。
「だから猫又のしっぽをひろったときに、これがあれば見てもらえると思った。けど、また見えなかったら……」
飼い主に見えなかったことで彼は一度、傷付いた。また傷付くのが嫌で勇気が持てなかったのだろう。
「行かないなら返すにゃ!」
「行くよ、行くけどさ、まだ……」
マロンは弱気でぼそぼそと答える。ルナは黒いしっぽをくわえてぐいっと引っ張る。が、抜けなかった。
「痛い!」
マロンが悲鳴を上げる。



