翌日、寝ぼけ眼で出社した私は同僚にすごい勢いでつかまった。彼女はなぜかタオルを抱きかかえている。
「猫を飼おうかなって言ってなかった!?」
「言ったことあるかも。どうしたの?」
「これ見て!」
私は驚いた。
差し出されたタオルの中にいたのはルナみたいな真っ黒な子猫。
「会社の駐車場にいたの。母猫に置いていかれたみたいで」
「そんなの、どうやってわかるの?」
「私が昨日ここをとおりかかったときにもひとりでいたのよ。母親を探すように鳴いてて、今日も母猫がいなくて。烏に狙われてるしでとりあえず保護したんだけど」
同僚は私が飼うのをあてにして保護したようだ。
困惑すると同時に、頭をよぎるのはルナ。
——向こうに行ったらみんなに伝えておくよ。
伝えた結果がこれなのだろうか。
「ねえ、君。うちに来る?」
私がたずねると。
「にゃあ!」
子猫は元気に返事をした。
終



