君はいつでも宝物をくれる


 高校二年生になった。
 亮太とサトは別々のクラスになってしまった。
 クラス内でも絵を描いていて、少し浮いてはいるけど、友達もできた。
 部活は、相変わらず美術部の上からグラウンドを眺めている。
 変わったことは、後輩ができたことだ。
 僕に後輩のお世話係なんて無理だろうと思っていたが、これが意外と出来ることに自分でも驚いた。
 どうやら僕は、結構世話好きらしい。
 亮太のことに関しても、最近は母親のように気にかけてしまう。
 
 亮太にも後輩が出来た。
 サッカー部だから、僕より沢山の後輩を抱えている。
 それに、彼は教え方が上手らしく、一年生の時と比べものにならないくらいの良い評判を聞く。
 だからなのかわからないけど、かっこつけることが多くなった気もしている。
 本当にかっこ良いからいいのだけど、調子にのっていることも多そうだ。
 練習試合前に、後輩に散々忘れ物注意をしたくせに、自分は弁当を家に忘れて、サトが届けに行ったこともあった。
 日にちを間違えて、教科書を忘れるとか。
 靴下が、左右色違いとか。