君はいつでも宝物をくれる

 クラスメイトや部活の仲間達との交流が増えていたのだ。
 同じクラスのピアスを開けていて、髪の毛の色も派手に染めているサトとは違った意味で浮いていた男子生徒が、漫画家を目指しているらしく、絵の構図や陰影のつけ方などの意見を聞きに話し掛けてきていた。
 今まで一度も話したことのない、その男子は見た目の印象とは違う謙虚な態度で、サトは戸惑いを隠せないでいた。
 彼の色は、渋い緑色で、見た目の派手さとは真逆の一本杉のように真っすぐな性格が伝わっていた。
 人って、面白いな。
 今まで僕は、話したことがない人は、雰囲気で苦手だと思い込んで、見ないようにしていた。
 クラスメイトの色は、様々あるけど、決して自分に危害を及ぶようなものではないと思えた。
 昔は、その色が少しでも濃くなったり濁ったりするのが怖かったけど。
 今は、それが普通なんだと思えるようになっている。
 
 あの日、亮太の告白を受けてからだ。
 あの時の亮太は、いつものような眩い光ではなく、曇り空のような濁った色をしていた。
 それでも、話していくうちに、色が変化していた。
 濁ったり、濃くなったり……。