テレビとかでよく表現するぽっかりと胸に穴があいたような感覚というのは、あながち間違っていないもんだと思った。
そして、少しづつこの痛みに慣れてきている。
(……きっと、また絵が描ける)
画材店前で、二人と別れて、駅前に向かって歩き出す。
亮太と行ったスポーツ用品店前を通りすぎようとしたとき、店の自動ドアが開いて出てきた人とぶつかりそうになった。
「すみません」
お互いの声が重なった。
亮太と同じサッカー部の人と、亮太の彼女だった。
サトは固まって動けない。
「あ、平だ。亮太の友達だよゆきちゃん」
田中がゆきちゃんを見て言う。
二人は手をつないでいた。
(なんで? 亮太の彼女なのに……)
「ああ、よく亮太が話している子? こんにちは」
屈託のない笑顔を向けられて戸惑ってしまった。
「ちは」小さく呟く。
二人のつないだ手からピンクの淡い色が混じり合っていた。
……なんで。
「亮太が、自分の絵を描いてくれて、絵が上手でって話してる子よね」
ゆきちゃんのカバンにぶら下がっているクマのキーホルダーを凝視する。
そして、少しづつこの痛みに慣れてきている。
(……きっと、また絵が描ける)
画材店前で、二人と別れて、駅前に向かって歩き出す。
亮太と行ったスポーツ用品店前を通りすぎようとしたとき、店の自動ドアが開いて出てきた人とぶつかりそうになった。
「すみません」
お互いの声が重なった。
亮太と同じサッカー部の人と、亮太の彼女だった。
サトは固まって動けない。
「あ、平だ。亮太の友達だよゆきちゃん」
田中がゆきちゃんを見て言う。
二人は手をつないでいた。
(なんで? 亮太の彼女なのに……)
「ああ、よく亮太が話している子? こんにちは」
屈託のない笑顔を向けられて戸惑ってしまった。
「ちは」小さく呟く。
二人のつないだ手からピンクの淡い色が混じり合っていた。
……なんで。
「亮太が、自分の絵を描いてくれて、絵が上手でって話してる子よね」
ゆきちゃんのカバンにぶら下がっているクマのキーホルダーを凝視する。
