僕は相変わらず、絵を描けずにいた。
今日は、部活は休んで、画材店へ行く予定にしていた。
しかし、京香先輩に教室まで迎えに来られ、部室まで連れてこられた。
無理やり座らされて、目の前京香、横に部長が座る。
二人の色が濃くなっていく。
「何が合ったのよ。吐きなさい」
ドラマで見るような警察の取り調べのようである。
「なにがですか……?」
「絵、描いてないじゃない? 部活も休みがちだし。まさか、まさか……」
なにを言い出すのかドキドキする。
「美術部、辞めちゃわないよね?」
京香の目は真剣だ。
部長をチラリと見る。同じく真剣だった。
「辞めません」
それだけ言うと、ホッと息をついて、良かったーという声が上がった。
(なんなのだろう。部員一人いなくなったところで、大して変わらないだろうに……)
「俺はさ、平の絵好きなんだよ」
部長からの言葉にギョッとした。
「『空っぽ』もそうだけど、平の絵は、命が宿っている。スケッチした絵も、被写体が生き生きしている」
京香は、部長の言葉に腕を組んで頷いている。
今日は、部活は休んで、画材店へ行く予定にしていた。
しかし、京香先輩に教室まで迎えに来られ、部室まで連れてこられた。
無理やり座らされて、目の前京香、横に部長が座る。
二人の色が濃くなっていく。
「何が合ったのよ。吐きなさい」
ドラマで見るような警察の取り調べのようである。
「なにがですか……?」
「絵、描いてないじゃない? 部活も休みがちだし。まさか、まさか……」
なにを言い出すのかドキドキする。
「美術部、辞めちゃわないよね?」
京香の目は真剣だ。
部長をチラリと見る。同じく真剣だった。
「辞めません」
それだけ言うと、ホッと息をついて、良かったーという声が上がった。
(なんなのだろう。部員一人いなくなったところで、大して変わらないだろうに……)
「俺はさ、平の絵好きなんだよ」
部長からの言葉にギョッとした。
「『空っぽ』もそうだけど、平の絵は、命が宿っている。スケッチした絵も、被写体が生き生きしている」
京香は、部長の言葉に腕を組んで頷いている。
