花火が上がった。
 サトも窓を見る。
 同じ行動に笑いあった。
 確かめたい……。
 どうしたらわかる?。
「花火……昔は見えてたのに。見えなくなっちゃったよ」
 サトの悲しそうな表情になんとかしてあげたくなる。
 自分の部屋からも、ほんの少ししか見えないのに、声をかけていた。
 本当に、端っこの少ししか見えない花火。

 それでもサトの横顔は、嬉しそうに微笑んでいた。
 胸の奥がキュンとする。
 すぐ横にいるサトの温もりが伝わってくる。
 ……おかしな気持ちになった。
 サトは、俺のことどう思ってるのだろう。
 俺のシャツに顔を埋めて興奮していた、それは俺のことが好きってことだよな?
 いつも俺の絵ばかり描いてるし。
 AO1のキョウヤに似てるから?
 花火の音が聞こえる中、薄暗い部屋の中で、サトの表情は困っているように見えた。
「キョウヤが俺に似てるって言ってたじゃん? あれってホント?」
「……」
 戸惑いながら頷いて、視線を外された。
 それが、すごく嫌だった。