さっき、帰り際に屋台が出ていたことを思い出し、サトと、おばさんと、俺の分の屋台メシを買いに出かけた。
 小さい頃は、サトと祭りに行ったけど、今はどうしているだろう。
 人混みが苦手だから行かないといってたき気がするな。
 でも、屋台のメシは好きだったよな。確か、ソース系。
 小さい頃は、1パックの焼きそばを二人顔を寄せ合って、フーフーしながら食べたな。
 今は、流石にそれだけじゃ足りない。
 屋台をはしごして、焼きそば、イカ焼き、たこ焼きを買った。
 あたりが暗くなり始めた。急いで歩くサトのお母さんに会った。
「あら、亮太くん。今帰り? 実はね……」
 ばあちゃんの具合が悪くなったと聞いた。
「今日、夜勤だったわよね? 夕飯、用意できなくてごめんなさいね」
 と、話しながら、駐車場に停まっている車に乗り込んだ。
 ――サトは一人か。
 ざわっとした気持ちが起こる中、マンション前にいるサトの姿を見つけた。
「出迎えご苦労」
 こんな亭主関白的なことを言うはずじゃなかったのに、サトの姿を見とめたらテンションが上がっていた。
 一緒に食べたかったなんて、大胆な発言をした。
 それでも、自分自身の気持ちを確かめたかった。