「付き合ってどれくらいだっけ」
「まだ1か月くらいだよ」
「どうやって知り合ったんだよ」
「サッカー部の人が紹介してくれた。一目ぼれって言われちゃた」
 うふふ。と軽やかに笑う彼女に、ちぇっと舌打ちした男子生徒。
 その後のことは、よく覚えていない。
 気が付いたら、家に着いていた。

 覚えているのは、今日の試合も亮太は出ていなかったということと、彼女が出来たということだった。
 試合は、勝ったらしいことは帰りの雰囲気で察した。
 もう、行かなくてもいいかな。
 いつの間にか、頬が涙で濡れていた。