「キョウヤが俺に似てるって言ってたじゃん? あれってホント?」
 なんで、こんなこと聞くんだろう。
 こくりと頷く。
「……」
「……」
 亮太は真剣な目でサトを見つめたまま。何か言おうと言葉を選んでいるようだった。
「今度は、キョウヤの絵じゃなくて、俺を描いてよ」
「予選が始まるから、試合出られないかもしれないけど、見に来てほしい」
 亮太の目に吸い込まれそうだった。
「もちろん、もちろん行く。亮太を描くよ」
 大きな音がして、二人してまた窓の外を見る。
 夜空の浮かぶ大きな華が、よく見えた。
 触れ合う肩と腕のあたりが熱い。
 京香や祥のように手を握り合えることはできないけれど、寄せ合って花火を見ることくらい許されるかな。
 今だけ。
 亮太が微笑みかけてくれる。
 優しい瞳。
 好きだ。
 京香が言っていた、好きにはいろんな意味がある。
 僕に対して、わからない好きでも、好きと思ってくれているのかな。
 同じ気持ちであれば……。
 ふと、今日ユニフォームのレプリカを見つけたことを話そうかと思った時に、視界の端っこにそのユニフォームが目に入った。
「……?」
「残りの焼きそば、食べよう」
 亮太は、そう言って、リビングに行ってしまった。
 ユニフォームのレプリカ……買いに行ったんだ。良かった。
 もやっとした気分が残ったまま、サトもリビングに戻った。