「小さい頃は、少しだけ窓から花火見えてたのにね」
サトは、自分の部屋の窓から花火の上のほうだけ見えたことを話した。
今は、マンションの周りに沢山の建物があって見えなくなってしまった。
「俺の部屋から、まだ少し見えるよ」
「え? うそ」
「ほんと、こっち」
亮太の部屋に入る。
机のところにある窓を開けて、指をさす。
確かに、少しだけ見えた。
「ほんとだ。へぇーすごい」
身体を寄せ合って外を見ていたが、あまりの近さに途中から花火どころではなくなってしまった。
すぐ隣にいる亮太の口からさっきまで食べていたソースが香る。
心臓の音が聞こえるのではないかと思うほど、鼓動が早い。
「の、残りの焼きそば食べちゃおうかな」
そう言って、そっと亮太から離れる。
「な、暁士」
薄暗い部屋の中で亮太が見つめてくる。
「AO1のキョウヤが好きって言ってたじゃん? なんで? 他にもアイドルいるだろう?……女のアイドルとかも」
「そ、それは……」
なんて言おう。キョウヤが好きなのではなくて、亮太が好きで。だから似ているキョウヤが良いと思っただけで。
――違う。
そんなこと言ったら、この友達関係がなくなるかもしれない。
サトは、自分の部屋の窓から花火の上のほうだけ見えたことを話した。
今は、マンションの周りに沢山の建物があって見えなくなってしまった。
「俺の部屋から、まだ少し見えるよ」
「え? うそ」
「ほんと、こっち」
亮太の部屋に入る。
机のところにある窓を開けて、指をさす。
確かに、少しだけ見えた。
「ほんとだ。へぇーすごい」
身体を寄せ合って外を見ていたが、あまりの近さに途中から花火どころではなくなってしまった。
すぐ隣にいる亮太の口からさっきまで食べていたソースが香る。
心臓の音が聞こえるのではないかと思うほど、鼓動が早い。
「の、残りの焼きそば食べちゃおうかな」
そう言って、そっと亮太から離れる。
「な、暁士」
薄暗い部屋の中で亮太が見つめてくる。
「AO1のキョウヤが好きって言ってたじゃん? なんで? 他にもアイドルいるだろう?……女のアイドルとかも」
「そ、それは……」
なんて言おう。キョウヤが好きなのではなくて、亮太が好きで。だから似ているキョウヤが良いと思っただけで。
――違う。
そんなこと言ったら、この友達関係がなくなるかもしれない。
