君はいつでも宝物をくれる

 時々、午後にも学校へ行くこともあるが、周りから変な目でみられないように別の場所でスケッチしたり、図書室に行ったりしていた。
 
 今日は、京香から、祥の練習風景をスケッチするからと誘われていた。
 堂々と校庭でスケッチできる彼女が羨ましい。
 一足先に京香との待ち合わせ場所へ向かう。
 走り高跳びの練習が見える場所は、ちょうどよい木陰になっていていた。
 午前中とはいえ、夏真っ盛りの外は暑い。簡易椅子を置いて座る。
 京香もやってきた。
 その姿に気付いた祥が駆け寄ってきた。
 京香もそれに応えている。
 楽しそうに話す二人は、周りの目を気にすることなく、手を握り合ったりしている。
 二人の色が溶け合って、とても仲睦まじい雰囲気が見えた。
 京香が戻ってきて、スケッチの準備をする。
「仲が良いんですね」
 サトは、ぼそりと呟くと、少し照れたように「そうね」と京香はそれだけ言った。
「告白したんですよね? それって、その返事ってもらったんですか? 二人は付き合っているんですか?」
 突拍子もない質問に京香は目を丸くして、サトを凝視している。
(しまった。変なこと聞いた)