*****
 
 亮太は、選手に選ばれたようで部活動で毎日朝早く、帰りも遅い。
 夏休みにはいって、ほぼ毎日、部活動に明け暮れている感じだ。
 サトの家に夕飯を食べに来ても、よほど疲れているのか、食べるだけ食べてすぐに家に帰って行った。
 二十人近くいる一年生の中で選手として選ばれたのは、亮太と他二人。
 選手だからと特別扱いはされず、一年生としての雑用もこなしている。
 そして、練習量も増えているのだから、毎日疲れているのは当然のはずだ。
 
 夏休みは、美術部の主だった活動はない。
 しかし、先生は学校に来ているし、部室も開いているので、何人かの部員が来て作業している。
 特に、彫刻や陶芸は材料が学校に揃っているし、先生自ら制作していることもあって、その専攻の部員が来て先生の手伝いをしていた。
 サトも絵を描くだけだが、学校へは毎日行っていた。
 理由は、亮太がいるから。
 校庭で練習に励む姿を見て、スケッチしている。
 朝行って、昼前には帰ってくる。