繁華街の裏に入り込むような道を通って、小さなセレクトショップ、美容院が並ぶ1つの店にたどり着いた。
ランチをしているカフェだ。
さっきまで沢山の人がいたのに、ここは静かだ。
「美容室のお兄さんが教えてくれたんだ。サト人混み苦手だろ? ここは穴場なんだって」
色の話も、そのせいで具合が悪くなるという小さい頃の話を覚えていてくれた。
胸が熱くなる。
優しくてかっこ良い。
ランチを食べながら、亮太が昔の思い出話をしてきた。
昔、絵の先生の展覧会を見に行って迷子になった話だ。
「あれで、サト泣いちゃったもんな」
「……?」
「どうしよう。迷子になっちゃったって」
「ち、違うよ。泣いたのは、りょうちゃ、亮太だよ。その後、僕が母さんにそれをチクったら喧嘩になったんだよ」
「えー? そうだったかー? 喧嘩になったのは覚えてるけど」
と言う怪訝な顔の亮太に畳みかける。
「そうだよ。僕が慰めたら、泣き止んで笑ってくれた」
「うーん」
「その時、僕は……」
「うん?」
――宝物をもらったみたいに嬉しくなったんだ――なんて。そんなこと言ったら気持ち悪いよな。
ランチをしているカフェだ。
さっきまで沢山の人がいたのに、ここは静かだ。
「美容室のお兄さんが教えてくれたんだ。サト人混み苦手だろ? ここは穴場なんだって」
色の話も、そのせいで具合が悪くなるという小さい頃の話を覚えていてくれた。
胸が熱くなる。
優しくてかっこ良い。
ランチを食べながら、亮太が昔の思い出話をしてきた。
昔、絵の先生の展覧会を見に行って迷子になった話だ。
「あれで、サト泣いちゃったもんな」
「……?」
「どうしよう。迷子になっちゃったって」
「ち、違うよ。泣いたのは、りょうちゃ、亮太だよ。その後、僕が母さんにそれをチクったら喧嘩になったんだよ」
「えー? そうだったかー? 喧嘩になったのは覚えてるけど」
と言う怪訝な顔の亮太に畳みかける。
「そうだよ。僕が慰めたら、泣き止んで笑ってくれた」
「うーん」
「その時、僕は……」
「うん?」
――宝物をもらったみたいに嬉しくなったんだ――なんて。そんなこと言ったら気持ち悪いよな。
