夜。いつも明日の生活の不安。そして周囲の目に対する不安。色々な不安から眠ることができずに、涙を流していた時間。にゃーちゃんと暮らし始めて、大きく変わった。
「……寝るよ」
「にゃー」
シンと静まり返った2階。電気を消すと暗闇になる。布団の中で天井を見上げると……次第に目が慣れてきて、天井のシミが分かるほどまでになる。僕はこのシミをじっと見つめながら、眠れない夜を過ごしている。
カサッ……カサッ……カサッ……
昨日まで聞こえることのない、小さな音。
(ん……?)
耳を澄ますと、小さな音は僕の方に向かっているらしい。首だけ音の方に向くと、暗闇の中、「黒い何か」が僕の顔に向かって動いている。
「にゃあー」
「あぁ……にゃーちゃんか」
布団に入っている僕の胸の上で、誇らしげに鳴くにゃーちゃん。「にゃー」ともう一度鳴き、肩の所までやってきた。
「にゃー」
「にゃー」
耳元で何度か鳴くと、にゃーちゃんは頭をグリグリグリ……と僕の掛けている布団の中にめり込ませていく。
「何? 入るの?」
無言で頭をグリグリと押し付けている。
「はい」
僕は布団の角を軽く持ち上げる。スルスルッ……とにゃーちゃんは、僕の布団の中に潜りこんできた。そして向きを変えて、脇の下からピョコッっと顔を出す。
グルグルグル……と喉を鳴らし、うっとり目を細めている。
僕は目頭が熱くなった。これまでずっと1人だったこともある。でも……何だかにゃーちゃんに頼りにされているように感じたから。「ありがとう」と言っているように感じたから。
いつもと違う理由で、僕はまた布団の中で泣いた。
「……寝るよ」
「にゃー」
シンと静まり返った2階。電気を消すと暗闇になる。布団の中で天井を見上げると……次第に目が慣れてきて、天井のシミが分かるほどまでになる。僕はこのシミをじっと見つめながら、眠れない夜を過ごしている。
カサッ……カサッ……カサッ……
昨日まで聞こえることのない、小さな音。
(ん……?)
耳を澄ますと、小さな音は僕の方に向かっているらしい。首だけ音の方に向くと、暗闇の中、「黒い何か」が僕の顔に向かって動いている。
「にゃあー」
「あぁ……にゃーちゃんか」
布団に入っている僕の胸の上で、誇らしげに鳴くにゃーちゃん。「にゃー」ともう一度鳴き、肩の所までやってきた。
「にゃー」
「にゃー」
耳元で何度か鳴くと、にゃーちゃんは頭をグリグリグリ……と僕の掛けている布団の中にめり込ませていく。
「何? 入るの?」
無言で頭をグリグリと押し付けている。
「はい」
僕は布団の角を軽く持ち上げる。スルスルッ……とにゃーちゃんは、僕の布団の中に潜りこんできた。そして向きを変えて、脇の下からピョコッっと顔を出す。
グルグルグル……と喉を鳴らし、うっとり目を細めている。
僕は目頭が熱くなった。これまでずっと1人だったこともある。でも……何だかにゃーちゃんに頼りにされているように感じたから。「ありがとう」と言っているように感じたから。
いつもと違う理由で、僕はまた布団の中で泣いた。



