「……っ……」

 ここでドナルドに犯されれば、私はもう……彼以外には嫁げなくなってしまう。

 時間を巻き戻したい……いいえ。あの不思議な時魔法を使って時間を巻き戻したところで、この人に無惨に犯されたという記憶は残ってしまう。

 それに、彼ら三人にどう説明すれば良いかわからない。『セーブポイント』の時魔法は、私のためのものではないのだから。

 イーサンに助けを求めても、彼に負担が掛かる。叔父たち家族を追い出すには、確固たる理由と大きな権力が必要なのだ。

「ふん。泣いているのか。何を泣くことがある。俺と結婚して、オブライエン侯爵家は再興だ。お前は妻として、俺を支えれば良い」

 ドナルドは私へゆっくりと近付きながら、そう言った。ジャケットの釦を外して、服を脱ごうとしている。

 これからここで、何行われるかを考えれば、どうしても涙が止まらない。

「……イーサン」

 イーサンに会いたい。

 助けに来て欲しい。私を……私をここから、連れて出して。悪夢のように思えるこの生活から、どうか解き放って。