これまで無言だった金髪の男性が顎に右手を当ててそう言い、私は反射的に彼と目を合わせた。爽やかな新緑が透き通る瞳が、やけに綺麗に見えて、胸がドキッと高鳴った。

 驚いた。これまでに見たことのない不思議に透き通り、内側から輝きを放つような瞳だった。

「え? どういうことだ。嘘だろ? 人が……まさか!」

「あの……その、ですね。|ご令嬢(レディ)。大変、失礼ですが、お手に触れても?」

「……ええ」

 灰色の短髪をした男性にそう問われ、私は頷き右手を差し出して頷いた。彼は慎重な手付きで、私の手を取った。

「……セーブ」

 一言口にすると、私たちの周囲にふわっと虹色の光が走って、私は眩しくて思わず目を閉じた。

 なっ……何? さっきの光、驚いたわ。おそらくは、何かの魔法が発動したのよね。

「ああ。やっぱりそうだ」

「魔法書を読んで見ると、確かに、生物ではないとは定義されていないな。うわ。まさかの、人……なのか」

「うん。俺たちのセーブポイントって、この人なんだ。なるほど」

「セーブ、ポイント……?」