「ああ。そうだ。すみません。いつもここに来た、一番の目的を忘れてしまう」

 そう言って、イーサンは大きな手を差し出して、私は手を重ねた。

 イーサンが何かを呟けば、ふわっと室内に広がる、虹色の光。

「おやすみなさい」

「……おやすみなさい」

 そう言って微笑んだイーサンは私もまた自分が出て行った後、扉に鍵を閉めるように言ってから、バルコニーから部屋を出て行った。