セーブポイントに設定された幸薄令嬢は、英雄騎士様にいつの間にか執着されています。

 そう言ってくれて、嬉しかった。彼にとっては、泣いている女の子を放って置けないとそう思われただけだとしても。

「それでは、食事は決定ということで……どうします? 俺がここに迎えに来ても良いですが、レティシア様が外出して来れるのであれば、そこまでお迎えに」

 イーサンの言った言葉が、私はすぐには理解出来なかった。

「……迎えに来るって、ここへ?」

 ここはオブライエン侯爵邸で、本来ならば彼はここに居ることのない人物だった。

「そうです。バルコニーから攫って行くことも出来ますけど、レティシア様は閉じ込められているわけではないので、それは……あまりしない方が良さそうですね」

 そこで、私はいかにも真面目そうな聖騎士イーサンが、先ほど冗談を言ったことに気がついた。

「ふふ。そうね」

 確かに私は、ここに閉じ込められて外出を許されていないわけではない。馬車に乗ってどこかに行くことは出来るのだ。

「では、待ち合わせ場所を決めましょう。俺らは早めに夕方には、帰るようにします」

 イーサンは彼らが宿泊している宿の名前『レンガ亭』を言い、私は店名と時間を復唱して確かめた。