例え、結果的にオルランド様の誘いを断ったとて、これまでに仲が良かったクラウディアを正面から裏切ったとんでもない悪女だと、そう口々に噂されてしまっては。
だって、あの時彼女が私のことを『裏切り者』と、そう呼んだから。
そんな経緯だけを聞けば、無関係な誰かから面白がられても仕方ないと自分でも思う。けれど、その関係性の当事者であれば、笑えるはずもない。
「……あの」
背後から声が聞こえて、私はハッとして振り向いた。
私ったら! 物思いに耽って……部屋の中に、イーサンが居ることを忘れていた……!
背の高い彼は所在なさげに、隠れていた場所で立ち上がっていた。
「イーサン。ごめんなさい! このところ、色々重なって起こって……考えてしまって……」
「いえ……話を聞けば、無理もありません。あ……俺も話を立ち聞きするつもりはなかったんですが、その……」
そう言って俯いて目を伏せたので、何もかも無関係な彼に、気を使わせてしまったことに気がついた。
「いいえ。これは、イーサンは何も悪くありません。叔父様が先ほど来たのは、偶然です。どうか、気にしないで……」
だって、あの時彼女が私のことを『裏切り者』と、そう呼んだから。
そんな経緯だけを聞けば、無関係な誰かから面白がられても仕方ないと自分でも思う。けれど、その関係性の当事者であれば、笑えるはずもない。
「……あの」
背後から声が聞こえて、私はハッとして振り向いた。
私ったら! 物思いに耽って……部屋の中に、イーサンが居ることを忘れていた……!
背の高い彼は所在なさげに、隠れていた場所で立ち上がっていた。
「イーサン。ごめんなさい! このところ、色々重なって起こって……考えてしまって……」
「いえ……話を聞けば、無理もありません。あ……俺も話を立ち聞きするつもりはなかったんですが、その……」
そう言って俯いて目を伏せたので、何もかも無関係な彼に、気を使わせてしまったことに気がついた。
「いいえ。これは、イーサンは何も悪くありません。叔父様が先ほど来たのは、偶然です。どうか、気にしないで……」



