天井が高く広い廊下へと出れば、ほとんどひと気もない城の東棟の端。人が多数集まる中心部から離れていて、あまり使用されていない。
だから、私はすっかり油断をしていた。こんな場所には、わざわざ誰も来ないだろうと。
けれど、よくよく考えればここは国王が住まう城中、日々働く使用人たちの人数だけでも、千を優に超えるという場所なのだ。人が来ないと思い込んだ私が、油断し過ぎていたのかもしれない。
彼ら三人が何の目的で、ここへやって来たのかはわからない。その理由が何であったのか、気にならないと言えば嘘になる。
だとしても、私の方が城の一室にある洋服箪笥(クローゼット)の中で泣いて居ることの方が、どう考えてもおかしい。下手に関わってこちらの詳しい理由は言いたくないし、こうして彼らから逃げるしかないのだわ。
部屋から飛び出るようにして早足で歩いて、十分に距離は稼いだと思ったところで、私は立ち止まり胸に手を当ててはーっと大きく息をついた。
「……驚いたわ」
もう。本当に、驚いてしまった。
だから、私はすっかり油断をしていた。こんな場所には、わざわざ誰も来ないだろうと。
けれど、よくよく考えればここは国王が住まう城中、日々働く使用人たちの人数だけでも、千を優に超えるという場所なのだ。人が来ないと思い込んだ私が、油断し過ぎていたのかもしれない。
彼ら三人が何の目的で、ここへやって来たのかはわからない。その理由が何であったのか、気にならないと言えば嘘になる。
だとしても、私の方が城の一室にある洋服箪笥(クローゼット)の中で泣いて居ることの方が、どう考えてもおかしい。下手に関わってこちらの詳しい理由は言いたくないし、こうして彼らから逃げるしかないのだわ。
部屋から飛び出るようにして早足で歩いて、十分に距離は稼いだと思ったところで、私は立ち止まり胸に手を当ててはーっと大きく息をついた。
「……驚いたわ」
もう。本当に、驚いてしまった。



