セーブポイントに設定された幸薄令嬢は、英雄騎士様にいつの間にか執着されています。

 ……もし、彼らに会えていなければ、私は今頃、絶望の淵を彷徨っていたはずだ。

 社交界デビューを果たし求婚者を募ろうかというところで、仲の良い友人から『裏切り者』『悪女』と罵られて人前から糾弾された。

 今頃は貴族たちの中で噂は回っているだろうし、こういう時に助けてくれるはずの友人クラウディアは私の被害者だ。

 私はオルランド様に対し連絡をしたり色目を使ったりをしていないけれど、それをしていないという証明をすることは出来ない。良く言われているように、何かをなかったことを証明することは出来ない。

 だから……クラウディアの気持ちが落ち着くのを、今は待つしかないとわかっている。

 けれど、ようやく結婚相手を見付けて叔父夫婦を追い出し、自分の人生を生きるのだと思って居たのに……長かった冬が終わる、そう思ったのに。

 オルランド様の意図はわからないものの、彼だってこんなことになっているだなんて思って居ないだろう。

 オルランド様も悪くないし、クラウディアも悪くない。

 不可抗力と呼ぶしかない、昨日我が身に起きた悲劇を思い、私はベッドの上のまま、もう一度大きくため息をついた。