セーブポイントに設定された幸薄令嬢は、英雄騎士様にいつの間にか執着されています。

「そうよ? 友人の私があれだけ騒げば、オルランド様には自分から近寄れないでしょう? 貴女って変なところ律儀だもの。だから、そうしたの……不幸になれば良いと思ってた。誰よりも不幸になれば良い……私のお母様や私のように……オルランド様と結婚すれば、レティシアは幸せになるでしょう? だから、全部全部、台無しにしてやろうと思ったの」

「クラウディア……」

 私は声が思わず震えてしまった。これまで、私は想像もつかないような悪意に、幼い頃からずっと晒されていたことになる。

 だって、私は……イーサンと出会わなかったら、考えたくもないけれど……。

 その時、イーサンは私の前に出て、私を睨み付けるクラウディアの視線を遮るようにした。

「主張したいことは、理解した。ただ、クラウディア・ブラント。君のしたことは、王族に関する事実の捏造や、貴族の毒殺未遂で立派な犯罪行為だ。この件については、君は、裁かれることになる」

 ホールの中には凜とした声が響き、イーサンがただの冒険者ではないと、周囲の誰もが理解したはずだ。

「……それでも構いません。それでも良いと思って生きて来たので」