「せっ……セーブポイント……? あ。さっき、セーブと言った時へ戻った、あれですね……? まあ、凄いわ。あれは、時魔法だったんですね」

 彼ら三人の登場から驚くばかりだった私も、なんとなくこの状況が把握出来てきたわ。

 貴重な魔術書に書かれているという、時魔法『セーブポイント作成』。

 彼らは難易度の高い昇級試験『ヘイスターの地下迷宮』の最下層に住む魔獣に挑む際に、それを使うことにした。

 そして、作成された『セーブポイント』は、彼らは対象を任意で選ぶことが出来ず……人であるにも関わらず私が、選ばれた……そういうことよね?

 だから、彼らは物があると思って居た洋服箪笥(クローゼット)の扉を勢い良く開けたし、その中に居た私に何かを持っていないか尋ねていたんだわ。

 まさか、探している『何か』が、この私であるなんて思わずに。