昨夜へと戻っていたのだ。

 ああ。助かった……! イーサンは生きて居る。イーサン。それに、今ではヴァレリオとジョセフィンも無事に宿屋に居るはずだ。

「……レティシア? これは……」

 何度か目を瞬いたイーサンは、この状況を良くわかっていないようだった。

「イーサン。貴方たちが帰って来なくて……ヴァレリオが大怪我をして、助け出されたの。そして、私が彼の元に駆けつけて、ロードを使うことになったわ」

「あ……助かったのか」

 イーサンは、ほっと大きく息をついた。そして、ここまで彼が状況把握に時間がかかり、ぼんやりとしているのなら、もしかしたら死ぬかも知れない状況に居たのかもしれない。

 私の目からは、涙がこぼれた。間に合ったんだ……! 三人を助けることが、出来たんだ……!

「良かった! 良かった……本当に良かった!」

「レティシア……」

 私が身体をぶつけるようにして彼に抱きついたら、イーサンは戸惑った様子で抱きしめてくれた。